ある程度エンジニアとして勤続していると、思い切って独立してみたい気持ちが湧いてくるものです。新しい分野に挑戦するのはとても素晴らしいことですが、「独立すれば収入が増える」と考えるのはあまりにも早計です。
確かにフリーエンジニアはクライアントから支払われた報酬を全額自分の収入にすることができますが、その金額はフリーエンジニアによって大きく異なります。独立したばかりの人が実績豊富なエンジニアと同じ土俵で勝負するのは非常に難しいと言わざるを得ません。下手をすれば、会社に在籍していた頃より年収が下がるリスクもあります。フリーエンジニアの年収がどのような要素で決まるのか、その内訳を意識しながら活動することが大切です。
フリーエンジニアの報酬額を左右する最大のポイントは、ズバリ「実績」にあります。どんなクライアントも、できるだけ優秀なエンジニアに仕事を任せたいと考えています。業界経験の浅いエンジニアは、どうしてもクライアントに疑惑の目を向けられがちです。本当に自分の期待に応えてくれるかわからないような未知の相手に多額の報酬を支払う物好きな人はいません。プロジェクトの交渉の際に高単価を要求するためには、それに見合う実績が必要なのです。
幸いフリーエンジニアにはスキルアップに費やす時間も自分次第で自由につくることができます。専門書を読んだり勉強会に参加したりして、日々自分の能力を高めていきましょう。また、フリーエンジニアの業界には様々な役職があるため、プログラミングスキルだけでなくコミュニケーション能力なども自分の武器として良いアピールポイントになります。常に「自分に何ができるか」を考えながら柔軟に行動することが重要です。
IT業界では、エンジニアの需給バランスが不規則に変化しています。例えば、どこかの大手企業が大掛かりなプロジェクトを発足すると、たくさんのエンジニアの力が必要になるため、エンジニアの需要度が急激に高まります。この流れに便乗すれば、経験の浅いフリーエンジニアでも比較的高単価の仕事にありつけます。日頃から業界のトレンドに気を配り、乗り遅れないようにすることが肝心です。
意外に思われるかもしれませんが、活動する地域によってもエンジニアの価値は異なります。都市部と地方を比較すると、都市部のエンジニアの方が高い年収を実現しています。都市部の方が物価が高いため、高単価の報酬が成立しやすいのです。年収アップを目指している方は、自分の拠点地域にもしっかり気を配りましょう。